世界中のテック系企業が集う展示会のCES。2020年の今年も開催され、様々なブースが出展される中、特に注目を集めたのがNEONでした。
彼らのブースは瞬く間にSNSで拡散され、その技術力の高さに世界中の人が驚きの反応を示していました。まずはNEONのブースから見ていきましょう。
まるで本物!とSNSで話題になったデモムービー!
まずはNEONのブースに展示されたディスプレーを、SNSに投稿されたツイートと共にご覧ください。
人工人間NEON。これから役者を目指そうとしている人は、ちょっと考えたほうがよいかもしれない#CES2020 pic.twitter.com/GaWE33a4IT
— ロボ先輩@3rd Factory (@3rd_factory_ro) January 8, 2020
https://twitter.com/sekiguchiaimi/status/1215146492253499394
AIで作られた実在しない人らしい。#CES2020 #NEON pic.twitter.com/idB6C0LyXg
— たぬ福@CES2020 (@tanufuku) January 8, 2020
CESを訪れたたくさんの人たちがNEONブースに展示されている「人口的に作り上げられた人」の姿に感動し、新しい時代の幕開けだ!と投稿していました。
確かにこのレベルの3DCGが自動で生成され、動いているのであれば、ものすごい技術力。どれだけ学習させればこれだけのレベルになるのかと、私も大きく胸を踊らせました。
NEONってどんな会社?
「NEON」はシリコンバレーにあるサムスンのTechnology and Advanced Research研究所のSTAR Labsが開発した、人工的にスーパーリアルな人間のアバターを生成する技術です。
本物の人間のように見せるだけでなく、動作や感情も再現して、より人間らしい表現ができるようになる、まさにSFの世界が現実になったかのようなリアルアバターを生み出す、それがNEONです。
確かにこれはすごい!AIで人間の顔写真を自動で生成するGenerated Photosや、指定した複数のキーワードから自動で記事を書いてくれるAIのArticooloなど、様々な驚くべきサービスが登場していましたが、まさかここまで来ているとは!
ブースを訪れた人たちは興奮したに違いありません。
実は本物の人間のムービーだった
数時間後、engadgetにNEONに関する記事が公開され、魔法が溶けてしまいました。
The early Neon videos which wowed everyone last week were fluid and realistic. But that was because they were really just videos of humans.
NEONが人々を驚かせたムービーは滑らかで本当に自然だった。なぜならそのムービーは、本物の人間だったのだから。
え?そうだったんですか?
実はブースにでかでかと展示されていたデモムービーの人間たちは、NEONによって人工的に作られた人の3DCGなどではなく、本物の人間の動画だったと言うのです。
夢から醒めた人たちの様々なツイート
CESを訪れている人たちからは、話題をかっさらったNEONに対して様々な意見が見られました。
NEONの人工人間があまりにもリアルで、現状の公開されている論文で実現するものが思いつかなかったが、調べたらただの人間の動画だったという結末。
> But that was because they were really just videos of humans.https://t.co/DLJEEk0exo#NEON #CES2020pic.twitter.com/5ud0QkeZVU
— せいしん (@seishin55) January 9, 2020
#CES2020 での #NEON のアバタースゲーみたいなツイートがどんどん拡散されてみて「ええ、これデジタルなの?」と思ったらただの実写だったというオチ……。
レポートしてた人、何見てたのよ。。。。https://t.co/tqfjiQkRpb— noizman (@noizman) January 9, 2020
NEON観てきた。これがCG だったら凄かったけど結局は加工された実写映像。笑 digital humanやってる身分としては正直焦ったけど、良くもまあこんな詐欺紛いな事して恥ずかしくないよね? pic.twitter.com/qHw6OzzynL
— 桐島ローランド (@rowlandxxx) January 9, 2020
NEONって会社で生成された
AIの人物像と言われていた動画は
結局誤情報でスクリーンに
こんなイメージですよ
って出していただけ
全部役者の演技って事でした。詐欺かペテンに近い
グレー商売ですね。 pic.twitter.com/6baIk8T4VJ— VJ SPIKE-BLOOM (@SpikeBloom) January 9, 2020
「NEON」
ブースで展示されている映像はCGですらないようですね
本物の人を撮影しただけのようですhttps://t.co/ojy9JWFg9e#AI #CES2020 #NEONpic.twitter.com/ISF0NZmX6p
— Always3D (@Always3D) January 9, 2020
https://twitter.com/Yasushi_1985/status/1215169091360542721
テック好きの興奮を返してくれ・・・とばかりにNEONのやり方に批判的な意見が多く見られました。CESのブースにガチ実写のムービーを展示するとはなかなか考えつきませんし、その場を訪れた人も、すっかり勘違いしてしまった格好となりました。
なんとも紛らわしい・・・
リアルアバターの未来は近い
今回のNEONは残念ではありましたが、本物と思えるくらいリアルなアバターが生成される未来はそう遠くないと感じさせてくれました。写真1枚から3DCGを生成する精度も益々高まってきていますし、今後、その進化は速度をあげていくことでしょう。
記憶や仕草、性格や表情をマスターしていくことで、人工的なアバターが人間味を増していくことは容易に想像ができます。人間の感情を読み取るアフェクティブ・コンピューティングの領域と組み合わさることで、アバターが私たちの感情に応じて、最適な表情や仕草、声かけをしてくれるようになるでしょう。
私たちはどこに行こうとしているのか。大親友や家族より、アバターの方が自分を理解してくれているとしたら、あなたは悩みを誰に聞いてもらいますか?誰に癒してもらいますか?
人間とは、社会とは、人生とは一体・・・
NEONのドメインが.lifeとなっているところも、なにやら意味深に思えてなりません。(ん、ちょっと考え過ぎ?もう寝ます)
予言が当たった方も。
#NEON のアレが「どう見ても人でしょう」とツイートしたら「本当に人だった」ので元ツイは消しました!
あの見せ方が結果的にそうなったのか、意図的だったのかは謎ですが、デモで見せたように本当の人間をもとに Digital Human を作っているのは真実なので、個人的には頑張って欲しい気持ちです!
— ikkou / いっこう (@ikkou) January 9, 2020
NEONよ!今度こそ、テック好きを感動させる本物のDigital Human を見せてくれ!